田舎の小学校の先生になって分かった現実
今年の3月まで横浜市の公立小学校で働いてましたが、
4月から静岡県の田舎の小学校で働きはじめました。
規模はどちらも変わらず、全校で400人程度。
はじめは「大して変わらんやろ」という軽い気持ちでしたが、現実はぜんぜん違う。
田舎の小学校で働くことに憧れを持っている先生もいるはずなので、
後悔しないためにも、私が半年働いて分かったことを話します。
①仕事が圧倒的に少ない
はい。仕事は圧倒的に少ないです。
都心部の学校だと、何かと新しいことに取り組んだり、研究授業をしたがる。
そうなると必然と教師の仕事量は増えるため、残業も増える傾向にある。
しかし、田舎の小学校だとそういったことは基本的にしない。
見に来る人もいないし、新しいことに取り組む熱血教師もあまりいない。
なので、仕事が必然と少なくなる。
実際に私も同じである。
横浜市にいた頃は、19時や20時まで残業は当たり前だったし、休日もたまに学校に行って、平日では終わらなかったテストの丸付けなどをする。
しかし、静岡県で働いてからは、定時で帰ることが増えた。
というか、遅くまで残る先生も少なく、17時を過ぎると、職員室にはほとんどいない。
だって、子どもが帰ってから研修や会議がほとんどないので、テストの丸付けや明日の授業の準備にとりかかれる。だから早く帰れる。休日出勤も1回もしたことがない。
そして、給料はさほど変わらない。
楽したい人は、田舎の小学校で働くのを強くおすすめする。
②車通勤は当たり前
これは当たり前の話だが、通勤は車のみになる。
田舎の小学校に電車やバスを求めてはいけない。
というか、田舎は基本的に移動は車だ。歩いている人なんかいない。
私はドライブが好きなのでちょうどいいが、
車を持っていない人や運転が苦手な人は苦しいだろう。
③何かとお金がない
これは働いてみて初めて分かったことだが、
学校の予算は潤沢ではなく、いつもカツカツである。
カラー印刷をしたいときは、事務の人にお願いしないとさせてくれない。
研修に行きたいので申請を出すと、「ZOOM参加してくれ」と出張を断られる。
終いには、夏に職員室のエアコンが半分ほど壊れたとき、修理代の申請が通らなかったそうで、2.3週間ほど、暑い職員室で過ごしたこともある。
このように何かとお金がなく、厳しい予算の中でやっている学校が多い。
これは私の推測だが、「自治体の税収入=学校の予算」じゃないかと思う。
横浜のような「人口が多い」「工場が多い」「大きい会社が多い」「観光が盛ん」
だと、当然、税金ががっぽり入るので、学校に回す予算も必然的に増える。
一方で田舎のような「人口が少ない」「工場が少ない」「大きい会社がない」「観光地がない」
だと、税収入も少なく、学校の予算も削られる傾向なんじゃないかと思う。
④地元の先生が多い
基本的に田舎の小学校は地元がここの人が多い。
地元じゃない人も、大半は「出身はこの県です」という人が多い。
多いというか全員である。
そのため、私のような他県から来る人は珍しがられる。
都心部の学校は、半分は他県からやってくるので、あまり違和感はないが、田舎はそうでもないみたいだ。
幸いなことに、私の学校では他県からやってきた人を村八分にするようなことはない。
ただ、どうも価値観や話がかみ合わないことが多い。
これは、別の記事で解説しようかと思うので、ぜひ見てほしい。
こんな感じで、都心部と田舎の小学校では、働く環境が全然違う。
だが、子どもはあまり変わらない。小学生はみんな素直でかわいい。
そこはあまり気にしなくてもよさそうだ。
わたしはどっちが向いてるんだ?という結論だが、
のんびりと安定して働きたい! →田舎
なのではないだろうか。